裏方のプライド。 ープロジェクト紹介ー

株式会社SKK様 工場建築工事
建築事業

建築事業 浚渫船に設置するクレーンなどを製造する株式会社SKK様の工場の建築工事です。大型のクレーンを製造するために、工場自体も大型で、かつ天井から重量物を吊るすためのクレーンを取り付けることができるよう設計されています。お話させていただくのは、当工事の担当者である27年目の藤目、入社8ヶ月の田村です。

統括所長

藤目 隆一

現場担当

田村 幸大

基礎は地味で時間がかかる。

統括所長

藤目

今の現場はだいたい20人くらいで、鉄骨は1チーム5~6人、それにレッカーが2台、作業員が5~6人います。
私たちの仕事は建築計画を立て、検証し、図面を書き、正しく作業が行われているかチェックすることです。実際に機械を操縦したりはせず、工事の管理がメインになります。

工事の具体的な流れは、まず建物の基礎を作るために土を掘って穴を作り、地盤の硬い層に届くまで杭を打ち込みます。こうすれば、岩盤層と呼ばれる硬い層に建物を固定することができるので、建物の耐久性が増して地震に強い建物になります。杭は太さ30~60cmくらいで、だいたい18mほどの深さまで打ち込むんです。
その後コンクリートを打って建物の基礎を作ります。基礎の上に土を埋め戻して、コンクリートに埋めておいたアンカーボルトの上に、建物の骨組みとなる鉄骨をのせていくんです。
そのあとはサッシをつけたり、屋根を葺いたり、壁を仕上げたりして完成です。

基礎は地味で時間がかかります。だいたい2か月弱ですね。鉄骨は、1か月くらいで大枠を組んで、半月ほどで細かい骨組みをたくさん組みます。たまに建物の上まで見に行きますが、そのときは自分でも緊張します。

現場担当

田村

鉄骨は重量物ですし高所作業も続くので、重大事故が最も発生しやすいと。この時期は特に注意するよう教わりました。

近道は早いけど危ない。

統括所長

藤目

高所作業で一番怖いのはやはり墜落です。作業時は支柱を立てて命綱を張り、安全帯をひっかけておきます。水平ネットもあるので、万が一転んでもネットにひっかかるようになっています。

吊り下げている重量物の落下も怖いです。
安全設備は確実に設置し、万一のときも命綱やネットが働くようにしています。あとは例えば「一番重たい柱は何キロなのか」「その重量を吊るワイヤーの厚さは」といった点を施工検討会で事前にヒアリングします。ワイヤーは劣化で切れる恐れがあるので、事前に必ず点検する。こういったことをきっちりやっていれば、予期せぬことが起きても最悪の事態にはなりません。

あとは、重量物の下に人が入らないようにするのも大事ですね。鉄骨を組んでいる1か月半はその点を常に巡視しています。といってもずっと私たちが管理するわけではなく、職長といわれるチームリーダーが安全設備の点検や作業手順の確認を行うんです。私たちは職長への指示を徹底することと、職長がきちんと現場の部下たちを教育しているかを見ます。

作業員は社外の方なので、どんな人かわかりません。最初のうちは、安全第一で作業しているかどうか、一人ひとり特に気をつけて見ます。安全装備をつけているか、作業が手順通りかどうか…。もし不備があれば必ず注意します。人間だから近道行動したくなりますが、近道は早いけど危ないと朝礼で言い続けます。通る道を示してあげることが大事です。

気が遠くなりそうですが、できるようになるんです。

現場担当

田村

私は今は品質管理のための証拠写真の撮影を任されています。搬入日や工法などを証明するための写真です。でも、最初は何を撮ったらいいかわかりませんでしたね。

統括所長

藤目

彼は、今は基本的に現場を回って、上司からの指示に従って行動していますが、今後は彼が後輩を指導する立場になっていきます。2年目からは図面を熟読して段取りしたり、施工図を書いたりすることになります。設計図だけでは建物は建てられないので、施工図を起こすんです。

施工図は、設計図よりも詳細な寸法を記した図面です。例えば、C1という柱がどのくらいの大きさか、設計図には何も書いていない。ということは実際に行って、C1の大きさはどのくらいかを調べないといけません。

現場監督しながら施工図を書くのは難しいのですが、施工図を作らないと施工できないので…。工事にもよりますが大体2年目くらいから、CADソフトで書いていくことになります。
施工図が書けるようになるのは、人にもよるでしょうが目安として3年くらいですね。段取りができるようになるまではだいたい4~5年。気が遠くなりそうですが、これができるようになるんです。

現場担当

田村

僕はここの現場にくるまで施工図という存在を知らなかったので失敗したなと思いました。

統括所長

藤目

その次は建築士もしくは施工管理技士という資格をとることになります。資格取得後は現場主任、現場所長と進みます。現場主任は5、6年目くらい、30歳前後。現場所長は35歳くらいが多いですね。

教えられる知識は100%伝えたい。

統括所長

藤目

作業で気をつけているのは、後戻り・やり直しをせずに作業を進められるようにすることです。忠実に計画通りに進めること、図面の段階での間違いがないこと、正しく施工されるかどうかを事前に確認しています。もう一つは人にケガをさせないこと。

現場担当

田村

僕は見るものすべてが初めてで、常に驚きの連続でした。1年目とはいえ現場監督なので、先輩方の技を見ながら覚え、安全に関しては逐一頭に叩き込まれました。
最初に流れを教えてもらって、わからないことがあったらまずは自分で調べますが、調べてると声をかけてくれます。優しいですね。怒られてるという感じはないです。

統括所長

藤目

新入社員にはやはり教えられる知識は100%伝えたいです。私たちが入った頃は厳しい世界でやっていましたが、今は働き方改革もありますし、大切に育てています。