大旺新洋の船舶部門

船舶事業の特徴

船舶事業では港湾土木工事として、作業船を使用して主に浚渫(しゅんせつ)工事や揚土(ようど)工事を行います。浚渫とは、港周りや航路上の海底に、船のための道を作ることです。大きな船が船底を傷つけないよう、海底の土砂をすくい取り、船が十分通れるほど深く掘って整備します。揚土とは、浚渫工事で掘った土砂を埋立するために、作業船と陸地を結んだ排砂管(はいしゃかん)を通して陸揚げします。

まるでクレーンゲームのように海底の土砂を掴み取って作業するのが、グラブ浚渫船です。

平成27年3月26日に完工式を迎えた最新鋭のグラブ浚渫船、「第十五龍正丸」です。

揺れる船の上、巨大なグラブで見えない海中を正確に掘る作業には熟練の技が必要です。

工期中は土日や休日を除き、基本的に船上で生活します。共に過ごすメンバーは家族同然の仲間です。

浚渫船の頭脳である操船室。たくさんのモニタを確認しながら、長さ60mの浚渫船を操ります。

タグボートと呼ばれる小型船が浚渫船の移動から、資材の運搬まで浚渫作業をサポートします。

浚渫船には10人ほどのメンバーが乗っています。船長は一人一人の性格から相性、その日の体調までを考えて指揮します。成果を出すためにはチームワークがとても重要なんです。

浚渫(しゅんせつ)工事の仕事

巨大なグラブ付きのクレーンを装備した浚渫船で、海底の土砂をクレーンゲームのように掘ることで海底に道を作ります。移動や揚錨、土の運搬などは他の小型船の力を借ります。チームワークが非常に重要な工事です。

小型ながら強力な曳舟、タグボートが浚渫船をサポートします。船を横向きに押すなどして移動させたり、先導・誘導したり、他船との交信も行います。

スパッド式の船では、船を固定するのにスパッドと呼ばれる杭を使います。75トンある巨大なスパッドを打ち込むのには熟練の技が必要。

浚渫工事の肝であるクレーン操作。作業時間中はできるかぎり止めずに、ひたすら掘り続けます。

重りをつけたロープを沈め、掘った深さを測ります。1時間のうちに何度も測るため、正確さとスピードが要求されます。

船長は作業が滞りなく進むよう管理監督します。モニターがある操船室で全体を確認しながら操船します。

海上からは見えない海の道ですが、安全な航行には欠かせません。世界の経済を支える海上輸送、それを可能にしているのが浚渫工事です。

船舶事業の現場

船舶事業の現場は、1チーム10人前後でプロジェクトを進めていきます。1ヶ月~半年程度の工期の間、船員は基本的に船上で生活します。チームメンバーは基本的に固定で、操船・クレーン操縦・測深・進路確認などを全員で行います。

同じメンバーとずっと一緒に生活する、家族のような間柄です。全員で現場を回すのでクレーン操作や操船も自分たちで行います。技術を磨くことができますよ。